ぼくが考え、書いてきたこと。

2025/10/26(日)、新規開設。カテゴリー毎に読むのがお勧めです。

一年単位じゃ、回転が早過ぎないか?

私が学部生だった頃、国際政治を専攻されていた先生に「将来本を書くようなことがあったら、5年は保つ本を書いてください」と言われたことがあった。昨今、出版のサイクル(と、本の「旬」)が短くなっているような気がしているからか、不意に思い出されたのだろうか。

周知の通り、出版点数は全体としてとても多い。注目した書き手の方による新刊も次々に出版されていて、いったい、どんな仕事ぶりをされているんだろうと思ってしまう。出たばかりと思っていたら、もう次の新著が刊行されている。どれから読むといいのか、わからなくなることもある。

杞憂であればいいのだが、一方で「廃れる」のも早くはなっていないかということだ。と同時に、一人ひとりにおける読んで消化するサイクルが撹乱されてはいないだろうかということもある。

人にはそれぞれの「読みたい時」や「読むべき時」がある。本と読者とは、出会うべき時に出会うのがよいと考えているものだが、いまの出版ペースは一人が読むにしては早過ぎるし、多過ぎるとも思っている。

例えば恒例の「本屋大賞」や「新書大賞」。これ、毎年出している必要はあるのだろうかと訝しくなる。それを、売る側の都合の一言では済ませたくはないとも考える。確かに、年齢を重ねてしまって時間が早く流れているように感じていることはある。しかしながら、「自分を保つ」ことにも配慮しないといけないのではないかとも考える。

そうであっても、今日もまた新しく「読みたい本」が増えていく。

(本稿おわり)